アタのこと
アタとは?
アタはツル性の植物で、そのツルは籠やバッグ等を編むための素材として使われます。私たちは植物のアタ、そしてそのツルから生み出される工芸品をまとめて「アタ」と呼んでいます。
タルのアタはどこから?
バリ島の古くからの風習や、暮らしを守り続けている数少ない村の一つである、トゥガナン村。アタはその場所で、昔から受け継がれている伝統的な工法でつくられています。高温多湿な環境でも100年もの耐久性を発揮します。
アタの起源
もともとアタを編む技術は、戦いや勝負を司る神様へささげる神事として、年に一度開かれるマカレ・カレという祭りの場で催される“鋭いトゲのある葉の剣とアタで作った盾で行う戦い”のために使われていました。100年ほど前にトゥガナン村で壺が作られたことをきっかけに、バスケットや日用品づくりにも応用されるようになりました。
アタができるまで
山に自生している蔓性のシダ植物のアタを収穫し、自然乾燥したものを細く割いたら、ひと編みずつ手でぎゅっと編んでいきます。krasのアタは、熟練した職人さんが時間をかけて隙間なく緻密に編み上げています。黒い柄の部分はアタの端の希少な部分を使用。一切、染色やペイントをしません。
編み上がったものはじっくり1週間天日干し。日がなかなか輝らない雨季でも自然のリズムに逆らわず、太陽と一緒にアタを仕上げるんだと思って気長に待つことにしています。
ようやく干し上がったら、窯の中でマホガニーやジャックフルーツなどのウッドチップを燃やして5日間ほどじっくりと燻します。煙に溶け出す木のオイルがアタの隅々までしみ込むことで、水気にも強く、しなやかで丈夫な籠に仕上がります。また、少しスモーキーな香りがつき、虫がつきづらく、見た目も独特な艶のある茶色になります。
香り
ウッドチップで燻すことで、スモーキーな独特の香りをまといます。この香りに癒されるというお声も。仕上がりから間もないうちはよく香りますが、日数が経つと落ち着いていきます。もし香りが気になる場合は、風通しの良い日陰でしばらく風にさらしてください。
アタの個性
素材は天然の植物。ツル一本ずつに個性があるので、人が編む時にうまく調整して仕上げています。同じ形の商品だとしても、ふたつとして同じものはできあがりません。ちょっとぽってりしていたり、凸凹があったり。それらを手仕事のしるしとして、唯一無二の巡り合わせを楽しんでいただけると嬉しいです。